お子さんの読解は今どのレベルなのか?-「国語が出来ません」の前に知っておくこと
(センスの良い落書き)
「国語が出来なくて困っています」
今日もまた国語に関してご相談を受けました。
「国語が出来ない」と一言でいっても、実際どのレベルで出来ないのかによって対策が変わります。
例えば、今日、生徒さんが解いていた国語の問題。
「まゆ子は(省略)ユミちゃんの家に走った。
(ユミちゃん、びっくりするだろうな・・・。)
思っただけでひとりでに顔が笑ってしまう。」
この部分に関する設問で一番簡単なものは、以下のような選択肢の問題です。
------------
(問)下線部の時のまゆ子の気持ちに合うものを以下の中から選びなさい
(ア)まゆ子はユミちゃんを心配していた
(イ)まゆ子はあせっていた
(ウ)まゆ子はユミちゃんを驚かせようと思った
(エ)まゆ子はユミちゃんを笑わせたかった
------------
本文をよく読まない子は、すぐに(エ)を選びます。本文中に「笑う」という言葉が入っているためです。でも、「笑う」は「まゆ子」の行動であって、ユミちゃんの行動ではありません。答えは(ウ)です。
ただ、このレベルが解けても、これが次のような記述になった際に解けるかどうかはまた別です。
------------
(問) 「ユミちゃんの家に行く時、まゆ子はどんな気持ちでしたか。説明しなさい。」
------------
この場合、解答は
「ユミちゃんを驚かせたい気持ち」
になりますが、このように本文中の状況を別の言葉に言い換えられないと出来ません。本文中に「驚かせる」という単語がないので、言い換えが出来るかどうかはお子さんの語彙力にかかわってきます。
選択肢で間違えているお子さんの場合は、問題演習をすると解き方のコツがわかってきます。ただ、記述で間違えているお子さんの場合、語彙力不足なのか、それとも言い換える、ということ自体知らないのか、実際にこの手の問題を数問解いて状況を分析しないとわかりません。「言い換えるんだ」ということがわかるとすぐ解けるお子さんもいます。「言い換えの言葉が何か思いもつかない」というお子さんもいます。それぞれ状況が異なります。
中学受験や公立一貫校を狙うお子さんの場合、言い換え力がないと合格はかなり厳しいです。
この辺りの指導は、塾でも通信教育でもよくわかって指導をしていないところが多いので、お家でフォローしないと難しいです。
お子さんの答案の点数だけ見るのではなく、回答までみてどのような手を打つのかがとても大切です。