考える、のススメ(別館)

大学1年の中学受験塾の講師を皮切りにいつしか指導歴28年。普段の授業で気づいた事などを綴っています。

「成績保障」制度の実態

 

 

3月に入り、塾のチラシやCMがどんどん増えていますね。

 

 

最近の流行りとしては、「成績保証」をうたうところが増えています。

 

 

親からすれば、成績をどうにかしたくて塾に行かせるので、この「成績保証」は魅力的ですが、その「成績保証」を受けるには、様々な条件がありますので、今日は「成績保証」制度の実態について。

 

 

 

・私立の子どもは対象外

この「成績保証」ですが、入会すれば誰でも対象となるわけではなく、基本的には公立に通っている生徒さんのみが対象です。私立に通われている場合は、保証の対象にはなりません。これは、私立は学校カリキュラムが独特なところが多く、塾でそのカリキュラムに対応した指導がしづらい事が原因です。あと、私立はテスト自体が難しく、点数を取るのが難しいこともその要因の一つです。

 

 

 

 

・英語は対象外

公立中学だとしても、成績保証には対象となる科目とならない科目があり、英語は成績保証の対象となりません。英語が苦手で保証があるから、と通わせると、実は対象外だった、となりますので、塾選びの際には注意が必要です。英語はかなり苦手になってしまうと、点数が取れるようになるためにかなりの時間が必要となり、そう簡単に点数アップが見込めないからではないかと思います。

 

 

 

・振替をしたら対象外

「成績保証」を受けるには、塾が決める授業に必ず通わなければなりません。そこには、生徒さん側の都合は全く考慮されていません。「体調不良で行けなくなりました」、「文化祭の準備で遅くなる」等の諸事情が当然発生するのですが、理由はどうあれ、決められている授業を休んだ時点で対象外となります。ただ、このあたりは同じ塾でも教室によって違うところがあるので(当日休みは認めるが、振替を行わないのであれば対象とする、など)、もし入会を検討されるようであれば、振替に関しては交渉してみてください。

 

 

 

・季節講習は必須、取らなけらば対象外

塾に通うと普段の授業とは別に、春休み、夏休み、冬休みに季節講習を組まれます。この講習は、通常の授業とは別で組まれることも多く、ご家庭は長期休みの時は「通常の授業+季節講習代」の2重払いになります。ただ、成績保障の場合はこの季節講習参加は必須となっています。「部活の大会で参加できない」等の理由は一切認められません。このあたりは先程の「振替をしたら対象外」と同じ扱いです。

 

 

 

 

・宿題を1回でも忘れると対象外

塾に通うと毎回宿題が出されます。その宿題をすべてこなすことが、「成績保障」の対象となっていますので、1回でも忘れると即対象外です。宿題忘れには、「解くのを忘れた」や「この教科の宿題があることを忘れていた」といったものから、「解いたけれどその宿題を持ってくるのを忘れた」もあります。どの理由であっても1回でも宿題を持ってくるのを忘れたら、即対象外です。

 

 

 

 

・塾の小テストで毎回8割取っていないと対象外

塾では、生徒さんがどのぐらい理解しているのか毎回小テストをやっているところが多いです。「成績保障」の条件として、この小テストで毎回8割取っていないと対象外となるところがあります。1回でも点数を落とすと即対象外となりますので、成績保障を受けたいようでしたら、ご自宅で小テストで8割の点数が取れるように勉強しないとダメです。

 

 

 

 

・プラス20点は、指導開始時点の学校のテストの点数が50点以下の場合のみ

数値化するとイメージしやすいので、よく広告に「プラス20点保障」とうたっているところがありますが、その「プラス20点」の意味は、「現在70点台を取っているお子さんを90点台にする」という意味では全くなく、あくまでも塾に入会する時点で50点以下の点数のお子さんが対象となっています。「うちの子はあともう一息で90点取れそうなのに」と思われて、成績保障の塾に通われると、そもそもが対象となっていないお子さんだった、ということになりますので、注意してください。

 

 

 

成績保障の実態はお判りいただけたでしょうか? これらを踏まえて、お子さんが「成績保障」の対象となるのか、よく考えてから塾に申し込まれた方が賢明です。

ただ、同じ塾名でも教室によって少しずつ対応が違うようなので、その塾自体に魅力を感じていて、かつ「成績保障」も受けられたら良いな、と思われたら、上記の事を教室長に交渉してみるのもありです。

「部活がハードなので、季節講習受講が条件になっていますが、これはわが子には難しいのですが・・・」とか。

その時に「そうなのですね。では、ここは条件から外しておきます」と言ってくれるか、「何おっしゃっているのですか!季節講習まで受けてもらわないと、成績アップは保障しかねます」と言ってくるか、はその教室長次第です。

 

塾なんて沢山あるのですから、わざわざこんなやたらと条件を掲げる「成績保障」の塾に通わなくても、もっと親身にお子さんのためにやってくれる塾はありますよ。

 

 

一瞬魅力的にうつる「成績保障」。その実態は、このような感じです。入会説明の時は、「何が対象で何が対象外なのか」ほとんど説明がありません。ただし、契約書には記載があるので、その場で契約しないで一度持ち帰って契約書をよく読むか、入会説明の時に、塾側に聞くかされると良いです。

 

 

お子さんにとって、ベストな塾が見つかることを応援しておりますクローバー

 

 


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