考える、のススメ(別館)

大学1年の中学受験塾の講師を皮切りにいつしか指導歴28年。普段の授業で気づいた事などを綴っています。

成功するのに必要な事

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図書館で面白い本を見つけました!
 
「天才!成功する人々の法則」です。
 
数年前にそういえば流行っていたなという記憶がありましたが、
私自身はこの本を読んだことがなかったので、「どうやれば
成功するのだろう?」という興味から読みました。
 

本書では成功はその人の内部要因(生まれつき頭が良い等)というより

外部要因(生まれた年や家庭環境)に起因していると説明しています。

 

「成功は行き当たりばったりには起きない。

成功は蓄積される優位点から生まれる。あなたがいつ、

どこで生まれ、親の仕事が何で、どんな環境で育ったか、

それが成功するしないに大きな差をもたらす」

 

具体的には以下の4点。

 

①圧倒的に運が良い

(スポーツ選手だと生まれた月、コンピュータ・ビジネスだと生まれた年)

 

②1万時間のトレーニングをこなしている

(長時間にわたってトレーニングが積める機会や環境も、運が良いことの一つ)

 

③「誰に何を言うかを理解し、どのタイミングで言うか、そしてどのように言えば

最大の効果が上がるのか」を、家庭環境から学べている点

 

④時代環境が変わる中でリスクを取ったこと

 

ビル・ゲイツは、中学2年生の頃に当時珍しかったタイムシェアリングで

プログラムを学ぶチャンスに恵まれ、そこからずっと7年間ぶっ続けで

プログラム開発に取り組んでいた。体育の授業はさぼり、夜も週末も

プログラムづくり。ハーバード大学を2年で中退し、自分のソフトウェア

会社に全力を注ぎはじめたときには、とっくに一万時間を超えていた。

ゲイツはこの時のことを「とてつもない幸運が続いた」と語っている。

 

その他に参考になった点としては、「満足のいく仕事の特性」と

「親が子どもになすべきこと」でした。

 

◆満足のいく仕事の3つの特性

・「自主性」

・「複雑さ」

・「努力に見合う報酬」

人を幸せにするのは、9時~5時の仕事でいくら稼げるかではない。

 

「一生懸命働いて、自分の意見を主張し、頭脳と想像力を働かせれば、

世界をあなたの望みどおりにかたちづくることが出来る」

 

◆親が子どもになすべきこと

・子どもが示す興味を「一つの合図」と受取り、サポートすること。

・我が子にただ命令を下したりせず、子どもと話し合い、理由を

説明する

・多様な経験の環境を与え、組織の中でチームワークと対処法を

学ばせ、大人と気持ちよく会話する方法や、必要に応じて自分の

考えを相手に伝える方法を学ばせている

 

個人的には、バイオリニストの調査結果と家庭環境の調査結果が

面白かったです。

 

アカデミーで学ぶバイオリニストの調査では、、世界的なソリスト

なりそうな学生とそうでない学生は、習い始めた時は同じぐらいの

練習時間なのに、トップの学生は途中から他の誰よりも多く練習に

励むようになり、20歳ぐらいの時には1万時間に到達している。

仲間が黙々と練習に励む中、その何分の位置かの時間で楽々と

トップの座を楽しむような音楽家はいなかった。頂点に立つ

人物は、他の人より圧倒的にたくさんの努力を重ね、他の人よりも

早い段階で1万時間に到達することが「天才」と言われる基礎と

なるのだろうと思いました。

しかしながら、10代の後半までに1万時間をクリアするには、

自分の力だけでは難しく、両親の励ましや支えが必要であり、更に

その時間を費やせる環境もないと難しいのも事実です。

トップクラスの人が一万時間に達するためには代表チームに

選ばれるなど、並外れたチャンスに恵まれています。

 

家庭環境については、「積極的に子どもの才能や考えや技能を

育み評価しようとする親」か、「自然な成長による結果を待つ親」か

2つの要素で、子どもが将来成功するかしないかが決まる、と

いうのにも驚きました。本書では、この親の属性が所得による

違いで分かれると述べられていました。

 

教育についても考察が面白かったので、本書は購入することに

します。また、原著でも読んでみようと思いますウインク