考える、のススメ(別館)

大学1年の中学受験塾の講師を皮切りにいつしか指導歴28年。普段の授業で気づいた事などを綴っています。

教科書の説明が子どもに分かりづらく、結果、算数がよく分からなくなっている

「先生、『素数』ってなんでしたっけ?」

 

小学6年生の授業での事。第一回の実力テストに向けて小学5年生の内容を復習していました。

 

 

素数

 

高校生でも

 

「何でしたっけ?」

 

と質問が出てくる筆頭の算数(数学)用語です。

 

 

素数とは、教科書では

 

1とその数自身しか約数がない数

 

と書かれていますが、私はいつも

 

この説明が分かりづらい!プンプン

 

と感じています。

 

どの教科書をみても、同じような説明です。

 

1とその数のほかに、約数をもたない整数のこと

 

 

Aタイプの生徒さんの場合、この意味が分からなくても問題演習をしていくうちに、どういうことなのか理解していくのですが、どの生徒さんもそうやって出来るわけではないからね。


ちなみに、我が子の教科書では、「素数(PRIME Numbers)」はこのように説明されています。



{D8DFA6BE-1D88-414D-A03D-07F8C04AA02A}


(訳)「素数は、2つの約数だけを持っています



こちらの方がシンプルで分かりやすいビックリマーク


「5」の約数は、「1と5」の2つだけしかないので、5は素数

「15」の約数は、「1と3と5」の3つになるので、15は素数ではありません。


なぜ、教科書の説明が分かりづらいか。
 

1とその数自身しか約数がない数


の、

 

 

1とその数自身しか約数がない数

 

 

「その数自身」の「その」にあるのではないかと!?

 

 

国語で、「その(それ)」が出てくると、

 

すぐ前を探す

 

と教えます(すぐ前になかったら1行前、、、のようにやっていきます)。

 

 

この算数の説明では、

 

その」のすぐ前は、「」になるので、

 

「1と1(その数)自身しか約数がない数」あせる

 

と読んでしまうからではないかと。

 

 

出来る子は、こう読むと「内容が変だ」と思い、

 

例えば、先程の「5」を例に取ると、

 

「『その数自身』とは、1だと意味がおかしいから、5の事を言っているんだな。

 

だから、「5」は、「1と5」しか約数がないから、5は素数だ!」

 

と読み取りますが、算数で読解を要求されてそれに答えられる子は一体何人いるか・・・

 

 

生徒さんが算数や数学が苦手になるのは、こういった「説明がわかりづらい」といった要因も大いにあります。

 

 

よく

 

「教科書をよく読みなさい」

 

と言われますが(私も言いますが)、良く読んでもわからないのは、説明がわかりづらいためでもあるので、お子さんに質問された時、今一度、教科書の説明を確認されて、説明が分かりづらい場合は、かみ砕いて教えることをオススメします。