考える、のススメ(別館)

大学1年の中学受験塾の講師を皮切りにいつしか指導歴28年。普段の授業で気づいた事などを綴っています。

河合塾がインターナショナルスクールを作るようです



(オックスフォード大学)

河合塾が目黒にある学校を買収して、インターナショナルスクールを作るようです。

「河合塾が目黒にある男子校 東京学園を買収します」

ちょっと前にニュースで出ていたそうですが、私は目黒にお住まいの生徒さんのお家の方から聞きました。地元では噂になっているそうです。

記事を読むと、「国際バカロレアのディプロマ・プログラム(DP)を導入して」とさらっと書いてありますが、DPはそんなに簡単ではないと過去実際にDPの学生を教えた私は思います。

DPの数学に話を絞ると、レベルがHL(ハイレベル)とSL(スタンダードレベル)の2つ(本当は3つありますが2つのところが多いので2つで話をすすめます)があり、日本の学校でDPを導入しているところはだいたい数学はHLが多いです。この数学、日本の高校で教わる数学のレベルより上をやっています。最初DPの問題を見た時は、「えっつ、これって大学の教養課程の数学じゃないの?!」と思いました。しかも、数学の学習項目が日本とはちょっと違っていて、統計学に近い内容が多いんですよね。日本だと下手すると、統計学は大学の理系でも必修にいれていなかったりします。また出題の仕方が日本とは違っていて、「パンのバクテリアが増えて、パンがカビだらけになるのはいつか?」みたいな問題なんですよ。あの内容を教えられる先生をそろえるだけでも大変だと思います。

DPの日本語とか、課題図書に「曽根崎心中」が入っていたりして、英語を第一言語でやっている生徒さんが、どうやってあの「曽根崎心中」を理解するのか興味深いです。日本の学校の生徒さんに「舞姫」を教えるだけでも大変なのに... 

バカロレアで学習すると、日本の大学も受験できるし(バカロレアで履修している生徒さん対象の入試があります)、海外の大学も狙えるし、で良いのですが、内容は甘くはないので教える方も教わる方も気合いがいります。

でも、暗記していることを問う問題ではないから、「学問を学んでいる」感があってやり始めたら楽しいとも思いますけどね。

河合塾がどうやってインターナショナルスクールを運営していくのか、2017年度開校の予定だそうです。